救急ナースは、運ばれてきた患者に対し、初期治療や検査、診察の補助などを行います。初期治療は患者の症状によって違いはありますが、意識確認や気道確保、酸素投与などがメインになってきます。この初期治療が正しく行われなければ手遅れになったり、その後の治療に支障をきたしたりするため、責任は重大です。
この初期治療が済んだら、次は医師による診察が行われます。とにかく緊急度が高いため、ここでもスピード感が求められます。医師の指示を一語一句聞き漏らさず、必要があれば検査や緊急手術がスムーズに行えるようテキパキと準備しなければなりません。

患者に対する適切な処置はもちろん重要ですが、それに加えて患者の家族に対するケアも大切なポイントになってきます。
患者の多くは生死をさまよっている状態にあり、当然ながら家族は平常心ではいられません。そのため、積極的にコミュニケーションをとりながら、患者の状態が落ち着くまで、家族の心理的ケアを行う必要があります。

上記のような幅広いサポート力が求められる救急ナースは体力的にも精神的にも負担が大きい職場と言われています。しかし、その分やりがいのある仕事だという点は間違いありません。人の命を救うという実感を肌で感じられるのは、この救急現場だけです。命を取り留めた患者や家族から大きな感謝の気持ちが寄せられるのも、この仕事の魅力です。

ただ、多くの死と立ち会う職場であるため、気持ちを切り替えられるタフな性格であることは重要な資質だといえます。
人の死は誰にとってもショックなことであり、簡単に慣れるようなものでもありません。救急ナースになりたい気持ちがある方は、死を受け入れなければならない過酷な現場でも働き続けられるかを考えた上で、決断することが大切です。